循環器内科|一の橋内科・循環器内科|喜多見駅徒歩8分の内科・循環器内科

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循環器内科

Cardiology

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循環器内科

心臓は全身と肺に血液を送り出すポンプの働きをしている臓器です。心臓と血液が流れる管(血管)を合わせて循環器と呼び、心臓や血管の病気が循環器病です。

心臓の働き

  • にぎり拳の大きさ(200~300g)
  • 1回拍出量:70~80ml
  • 心拍数:60~80回/分
  • 心拍出量:1回拍出量×心拍数=5~8L/分
  • 循環時間:約1分(肺循環時間:4~6秒)
  • 血液量:体重の1/13(動脈血:静脈血=1:4)

心臓の働きをまとめてみますと、まず心臓は200~300gの筋肉からできた精巧なポンプであること。心室が1回収縮すると70~80mlの血液が駆出され、安静時の心拍数は60~80回ですので、1回拍出量と心拍数の積が心拍出量ということになり、心拍出量は毎分5~8リットルということになります。左心室から全身を巡って右心房に戻ってくるまで約1分で、これを循環時間と言います。右心室から左心房への肺循環に要する時間、肺循環時間は4~6秒と短いことが知られています。血液は体重の約13分の1で体重65キロの人で約5リットル存在することになります。また、血液は、動脈よりも静脈側に約4倍の量が存在しています。

心臓から駆出された血液は決められた血流配分率によって各臓器に運ばれて行きます。脳には15%、心臓を栄養する冠動脈には5%、腎臓には20%、腹部臓器には35%、筋肉には15%、その他皮膚や骨には10%ということが知られています。運動をすると各臓器への配分率が変化し、最大運動時には心拍出量は約5倍に増え、冠動脈への血流は4倍、筋肉への血流は20倍以上になることが知られています。

命にかかわる狭心症や心筋梗塞

心臓を栄養する冠動脈は心臓の表面を走っていて、大きく分けると3本あり、心臓の右側から下を栄養する右冠動脈、心臓の前側から心尖部を栄養する左前下行枝、左側壁から後ろ側を栄養する左回旋枝の3本になりますが、左前下行枝と左回旋枝の付け根の部分は左冠動脈主幹部という1本の血管となっています。この左冠動脈主幹部が詰まってしまうと2本分の血流が心臓に行かなくなってしまうため、突然死など重大な事件の原因になります。

狭心症・心筋梗塞の症状とは?

  • 突然に中高年を襲う心臓発作
  • 胸の真ん中の痛み・苦しさ
  • 痛みは左腕に放散し、奥歯が疼くこともある
  • 生命の危険を感じるような不安感
  • 高血圧や高コレステロール血症、喫煙、糖尿病などが危険因子となる。
  • ストレス管理も重要

昨日まで何の問題もなく元気に暮らしていた人を突然襲うのが狭心症や心筋梗塞の発作です。心臓を栄養する冠動脈の狭窄や閉塞が原因ですが、時には突然死の原因になることもあり注意が必要です。しかし、この病気のことを十分知ることにより、発症を防いだり、たとえ発症したとしても被害を最小限に抑えることもできますので、狭心症や心筋梗塞についての知識を整えておくことは極めて重要と言えます。症状は、胸の真ん中の痛み・苦しさで、痛みは左腕に放散し、奥歯が疼くこともあります。また、生命の危険を感じるような不安感に襲われます。この病気の危険因子として、高血圧や高コレステロール血症、喫煙、糖尿病などが重要で、また、ストレス管理も重要です。治療には内服治療、カテーテル治療、バイパス手術などがありますが、生活管理や運動療法を中心とした心臓リハビリテーションも極めて重要です。

循環器疾患の急患の半分は不整脈

心臓がポンプとして効率よく収縮と拡張を繰り返すためには、心臓の上の部屋である心房と下の部屋である心室が、良いタイミングで収縮と拡張をする必要があります。それを司っているのが刺激伝導系の特殊心筋細胞の集まりになります。右心房と上大静脈の境付近にある洞結節は、心臓の歩調取りをする器官です。洞結節は、安静時には1分間に60~80回の電気的な信号を出し、それが心房内の電線に相当する器官を通って心房全体に伝わり心房が収縮します。その心房の電気的な興奮は心房と心室の境にある房室結節で取りまとめをされた後、次の瞬間に心室に配信され心室が収縮します。これらの心臓の電気的な活動は、手足と胸に付けた電極から、全部で12個の心電図波形が記録されます。心電図では、不整脈の有無、種類、肥大所見、心房負荷所見、電気軸、虚血性変化、心筋症などに特異的な所見などを評価することができます。不整脈には大きく分けて徐脈性不整脈と頻脈性不整脈の2つに分類されます。不整脈の中には命に係わるものや、放っておくと脳梗塞の原因になるものもあり注意が必要です。症状のある時に心電図を記録することが重要で、24時間心電図を連続記録するホルター心電図なども有用です。

高齢化によって増えてきた心臓弁膜症

心臓には4つの部屋があり、右心房と右心室の間には三尖弁、左心房と左心室の間には僧房弁、右心室に繋がる肺動脈の出口には肺動脈弁、左心室に繋がる大動脈の出口にある大動脈弁という4つの弁があります。これらの弁に異常が起こることが心臓弁膜症ですが、その異常には、開きが悪くなる狭窄症と閉じが悪くなり逆流を生じる閉鎖不全症と、狭窄と閉鎖不全が同時に起こる狭窄兼閉鎖不全症があります。その中でも、僧帽弁と大動脈弁による心臓弁膜症、特に僧帽弁閉鎖不全症と高齢者の大動脈弁狭窄症が多くみられます。治療医には弁の形を整える弁形成術と人工弁に取り換える弁置換術がありますが、大動脈弁狭窄症の弁置換術はカテーテル治療もできるようになりました。

心不全パンデミックとは?

心不全とは全ての循環器病の終末像で、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されます。その進展のステージは、高血圧や糖尿病など、将来の心不全のリスクはあるが、今のところ器質的な心疾患はなく無症状のステージA、心筋梗塞や弁膜症など器質的な心疾患はあるが、心不全症状のないステージB、器質的な心疾患があり、心不全症状のあるステージC、治療が難しくなったステージDと分けられます。ステージC以上では、入退院を繰り返すようになり、入院のたびに身体機能が低下することが知られています。わが国では高齢者の増加に伴い、「心不全パンデミック」といわれるような高齢心不全患者様が顕著に増加することが予想されており、全ての患者様を病院で受け入れられない状況が起こることが危惧されています。そのため、基幹病院とかかりつけ医での連携が重要となります。

急性期治療が終わったら心臓リハビリテーションが大事

リハビリテーションというと脳卒中後のリハビリや整形外科での術後のリハビリというイメージがあると思いますが、心臓病にもリハビリがあります。冠動脈バイパス術や人工弁置換術などの心臓の手術後や急性心筋梗塞、心不全などの急性期治療を終えた後に社会復帰に向けて行われるのが心臓リハビリテーションです。
心臓リハビリテーションとは、まず医学的な評価を行いますが、診断や治療の経過をまとめ、現時点においてどのような医学的、社会的な問題があるのかを評価することから始まります。そして科学的な根拠に基づいた運動処方を作成し運動療法を行い、再発を防ぐために高血圧や脂質異常症などの冠危険因子を是正し、患者教育や1対1のカウンセリングなども行いながら、長期に渡って包括的な疾病管理プログラムを提供することです。